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空虚の中にある可能性
空虚の中にある可能性_a0008075_24154.jpgさて、やっとテッセラクト。
驚き。公開2日目にして、この客入りのなさは何!?

ある程度の混雑を予想していたので、連れに2時間くらい前にチケットを買っておいてもらい、
少し仕事が残っていたので、ぎりぎりまで仕事をしてから駆けつけたのですが…。
20人くらいしかいなかった。

原作が「28日後」「ザ・ビーチ」のアレックス・ガーランド、監督が「ザ・アイ」のオキサイド・バンなんだから、もう少し入ってもいいんじゃないの?


さて、
冒頭や、予告で流れる文句のとおり、4次元の展開図なのである。

3次元の存在である私たちは、4次元を概念として捉えることはできても、認知することはできない。
では4次元の展開図である、この作品を詳細に読み解くことで、その元の構造を読み取ることはできるか?
否。
例えば、2次元の構造である"四角形"を、1次元の唯の"直線"に展開したとき、
その元の構造を、唯の"直線"から復元できるか?
直線からは、円も作れれば、三角形も自由に作れてしまう。

同様のことが、3次元の展開図としたときの、2次元の構造にも当てはまるし、
4次元の展開図としたときの3次元についてもいえるはずである。

つまり、4次元の構造は、3次元に展開したとたん、その高次元で保持されていた構造は崩れ、失われ、復元不可能となる。

つまり、この作品は、3次元以外の何物でもなく、四角形を展開すると、その内に区切られていた空間が解き放たれ、存在しなくなるように、この作品の中にも、もともとその4次元で形作られていた存在は一片も含まれていない。空虚なのである。


つまり、最初から分かっていたように、3次元の存在である私たちが4次元を認知することはどうあがいても無理なのである。

では、私たちは、私たちの認知することができない4次元の構造に、唯翻弄されるだけの存在なのか?
否。
2次元の展開図を加工することで、その3次元構造へ影響を与えることができるように、3次元を加工することで、4次元へ影響を与えることは可能である。

私たちは3次元しか認知できない。それはつまり、4次元の構造については"開けてみないとどうなっているか分からない"ということである。
開けてしまったら、もう私たちの力では元の構造には復元できない。しかし、そうすることで初めて、私たち自身が、4次元を変える力と可能性を持っていることに気付くことができるのだ。
by nothing_but_movie | 2004-06-26 02:43 | Movie(T)
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