2004年 09月 09日 ( 2 )
ムーアは殺されない。
2004/8/18 恵比寿ガーデンシネマ



「華氏911」
(2004米)

監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ


終わってみればやはり"パルムドール受賞作品"であり、つまりタランティーノの言葉に表れているように「"映画"として面白い」ということでしょうか。

理由の一つには、ドキュメンタリーとはまたちょっと違う感じの仕上がで、どちらかというと、公開前に予想していた通り、「マイケルムーアの意見」になっていたということ。
全体を客観的に伝えようという視点はあまりなく、かなり偏りっていて、つまり客観的に描かれた主観。(こういうことを言い出すと、完全な客観とは何かについてを論じなければなりませんが、めんどくさいかつ、主観的な話になりがちなのでそれは別の機会に)どちらかというと手法としては、ジャーナリズムに近く、しかしながら、選択と解釈の余地を残すジャーナリズムともまた違って、結局、あるテーマを主に第3者の視点で描く、"映画"にしか収まらない。
この違いが決定的に現れるのはその結果、つまり"マイケルムーアは殺されない"ということ。
要は「ヴェロニカゲリン」が、最後にその自らのジャーナリズムの結果、殺されるのに対して、ムーアはそうはならないということが容易に想像できるわけです。
これは相手が麻薬の売人か大統領かに起因するのではなく、この作品が所詮一般に"娯楽"に分類される"映画"だからではないかというわけです。これは前作「ボウリング・フォー・コロンバイン」でも同じことが言えるのではないでしょうか。

二つ目は、やはりあのつくり。「ボウリング・フォー・コロンバイン」もそうでしたが、なんとも滑稽。前回はGun Shopへの抗議、今回はあの署名活動などなど。これらの活動自体の意図や真意についてとやかくいうつもりはありませんし、視覚的、感情的、理知的に面白く、これが彼の持ち味だとは思うのですが、やはりなんとも滑稽で、結局"スクリーンの中の面白おかしい出来事"で終わってしまっているわけです。誤解を恐れずに、もっと具体的なイメージで言うなら、些細なことを一人で騒ぎを大きくしようとしている。わぞとらしい。そんなところがしっくりきますかね。そしてこの滑稽さも、やはり"娯楽"としての"映画"の特質であり、だからこそ「"映画"として面白い」く、所詮"娯楽"の"映画"だからこそムーアは殺されないわけです。
まあ、もとから死ななそうな人ですがね。


それにしても、最後に残る疑問としてはこれがホントにパルムドールに値するのかということですね。
個人的にはカンヌを軽視している節もあり、そもそもこういった映画際の賞なんて、所詮出品作品中の相対評価で必ず誰かがもらえるものですから、その価値なんて宣伝文句が増えるくらいにしか思っていないのですが、それにしてもこれが最高の作品だったのであれば、その他の作品はどんな仕上がりなんだろうと、甚だ疑問に思ってしまったりもするわけです。
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by nothing_but_movie | 2004-09-09 14:26 | Movie(F)
先週末レポート
さてさて、忙しさにかまけて更新をサボってたらいつのまにか9月ですね。
というか、先々週はここ数ヶ月ぶりに、映画館に足を運びませんでした。
まぁ台風が来ていて、かつ特に見たい映画が無かったからなんですが。

先週末は、六本木ヒルズで
「Fog of War」
「13days」
「September11」
を見てきました。
3本立て続けに朝6時まで。
さすがに眠かったです。


詳しくはまた後ほど。
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by nothing_but_movie | 2004-09-09 12:58 | 雑記